キックボクシングは骨にも効く?ウエイト・ランニングとは違う「骨への刺激」とオステオカルシン
こんにちは。東京都足立区・西新井のREON Fighting Sports Gymです。
「運動は骨に良い」と聞くと、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
ウォーキング、ランニング、スクワット、ウエイトトレーニングなどが代表的でしょう。
もちろん、これらは骨の健康維持に非常に有効な運動です。
しかし実は、キックボクシングにはランニングやウエイトトレーニングとは少し違った形で、骨へ刺激を与えられる特徴があります。
今回は「骨を作る細胞」と「オステオカルシン」という物質に注目しながら、キックボクシングと骨の関係を解説します。
■ 骨は単なる身体の「柱」ではない
骨というと、
「身体を支えるもの」
「カルシウムを蓄えているもの」
というイメージが強いと思います。
しかし現在、骨はそれだけではなく、常に古い骨を壊して新しい骨を作り直す、非常に活発な組織であることが分かっています。
骨を作る細胞が**「骨芽細胞」**です。
この骨芽細胞が作り出す代表的なタンパク質の一つが、
オステオカルシン(Osteocalcin)
です。
オステオカルシンは医学的には「骨形成マーカー」として使われています。
さらに近年では、骨だけではなく、糖代謝や筋肉など全身との情報伝達に関係する「ホルモン様物質」としての働きも研究されています。
つまり骨は、単なる柱ではなく、
運動などの刺激を感じ取り、身体全体とコミュニケーションを取る臓器
としての側面も持っているのです。
■ 骨は「負荷がかかる」と適応する
筋肉がトレーニングによって発達するように、骨も負荷に適応します。
特に重要なのが、
・地面から受ける衝撃
・筋肉が骨を引っ張る力
・体重を支える荷重
・方向が変化する力
・短時間に繰り返される機械的刺激
です。
こうした刺激が骨組織に伝わることで、骨形成に関係する細胞やシグナルが活性化します。
ここが、キックボクシングの面白いところです。
■ キックボクシングでは「いろいろな方向」から骨に刺激が入る
例えばランニングでは、着地するたびに地面から反力を受けます。
これは骨にとって非常に良い刺激です。
一方、ウエイトトレーニングでは、バーベルやダンベルなどによる大きな荷重と、筋肉が骨を強く引っ張る力が加わります。
こちらも骨に有効です。
では、キックボクシングはどうでしょう?
キックボクシングでは、
ステップ
↓
前後左右への体重移動
パンチ
↓
拳から肩、体幹、脚へと伝わる反力
キック
↓
蹴り脚の高速運動+軸脚への大きな荷重
ミット・サンドバッグ
↓
打撃した瞬間に身体へ返ってくる反力
縄跳びやフットワーク
↓
繰り返される着地刺激
ディフェンスや方向転換
↓
身体を捻る・止める・再加速する刺激
といったように、非常に多方向から力が加わります。
ランニングが比較的「同じ動作を繰り返す運動」であるのに対して、キックボクシングでは、
踏む・跳ぶ・捻る・蹴る・打つ・止まる・方向を変える
という動作が次々に発生します。
この「多方向性」が、キックボクシングならではの特徴です。
■ キックボクシングでオステオカルシンが増えた研究も
興味深い研究があります。
18〜35歳の女性を対象に、週2回・1回50分のカーディオキックボクシングを12週間実施した研究では、
血中オステオカルシンが約67%増加
しました。
一方、12週間という比較的短い期間だったため、骨密度そのものには明確な増加は認められませんでした。
研究者らは、オステオカルシンの増加について、骨形成プロセスが刺激された可能性を示しています。
つまり、
キックボクシングによる運動刺激
↓
骨形成に関係する反応
↓
オステオカルシンの変化
という流れが示唆されているわけです。
もちろん「キックボクシングをすれば必ずオステオカルシンが67%増える」という意味ではありません。
年齢、性別、運動強度、トレーニング経験、栄養状態などによって反応は変わります。
それでも、キックボクシングと骨代謝を直接調べた研究があるのは非常に興味深いところです。
■ 中高年にとっても注目したいキックボクシング
さらに、50〜85歳を対象として12週間のキックボクシングプログラムを行った研究では、筋力や歩行能力が改善し、骨粗しょう症関連の指標についても良好な変化が報告されています。
骨は若いうちだけ考えればよいものではありません。
年齢とともに、
筋肉量の低下
筋力低下
骨密度低下
転倒リスク上昇
が問題になってきます。
そのため中高年では、
筋肉を鍛えること+骨に適度な刺激を与えること
の両方が重要になります。
キックボクシングは、強度を適切に調節すれば、この二つを同時に行える運動の一つと言えるでしょう。
■ ウエイト・ランニング・キックボクシング、どれが一番良い?
結論から言えば、
「どれか一つだけが最強」という話ではありません。
それぞれ得意な刺激が違います。
ウエイトトレーニングは、
大きな荷重と強い筋収縮。
ランニングは、
繰り返される着地衝撃と持久的刺激。
キックボクシングは、
着地・方向転換・回旋・打撃反力・片脚荷重・全身の筋収縮。
という特徴があります。
そのため理想的なのは、これらを敵同士にするのではなく、
筋力トレーニング+適度なランニング+キックボクシング
のように、違った刺激を組み合わせることです。
骨も筋肉と同じです。
毎回同じ刺激だけを与えるより、さまざまな方向・強度の刺激を経験することには意味があります。
■ キックボクシングは「筋肉と心肺だけ」の運動ではない
キックボクシングというと、
「痩せる」
「体力がつく」
「筋肉がつく」
「ストレス発散になる」
といったメリットがよく知られています。
しかし身体の中では、それだけではありません。
一発のキックを蹴る。
ミットを打つ。
ステップする。
身体を捻る。
軸脚で踏ん張る。
そのたびに筋肉だけでなく、骨にも力が伝わっています。
そして骨は、その刺激をただ受け止めているだけではありません。
刺激を感知して、次の身体へと適応していく生きた組織です。
キックボクシングとは、
筋肉・心肺機能・神経・バランス能力、そして骨まで同時に刺激する全身運動
なのです。
若い方の身体づくりはもちろん、将来の骨の健康を考える中高年の方にとっても、「骨に刺激を入れる」という視点で運動を考えてみてはいかがでしょうか。
REON Fighting Sports Gymでは、初心者から経験者まで、年齢・体力に合わせたキックボクシングトレーニングを行っています。
東京都足立区・西新井周辺で、運動不足解消、体力づくり、ダイエット、筋力アップを考えている方は、ぜひ一度キックボクシングを体験してみてください。
【参考文献】
・An Evaluation of Select Physical Activity Exercise Classes on Bone Metabolism.
12週間のカーディオキックボクシングで血中オステオカルシンが67%増加。 (PubMed)
・The Effectiveness of a Group Kickboxing Training Program on Sarcopenia and Osteoporosis Parameters in Community-Dwelling Adults Aged 50-85 Years.
12週間のキックボクシングによる筋力・身体機能および骨粗しょう症関連指標への影響を検討。 (PubMed)
・Effects of Moderate- to High-Impact Exercise Training on Bone Structure Across the Lifespan.
中〜高衝撃運動が骨密度・骨構造へ与える影響を検討したシステマティックレビュー/メタ解析。 (PubMed)




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